クモの巣

ytoma2008-09-21

先日、静岡県島田市にある標高約500mの“千葉山”山中にある「合同船」という緑に囲まれた素敵な庵で、今回で4回目となる”山の音楽会”があった。石塚まみ氏(key,vo)とのデュオで、60名ほどの良きオーディエンスに支えられ、いつもながら温かく楽しい演奏会であった。(千葉山は、重要文化財の千手観音立像などがある、智満寺という天台宗の古刹がある、歴史的由緒正しき山である)

演奏終了後もなお大いに盛り上がって、明けた翌朝。
窓の外を見ると、山々に雲海が漂い“墨絵の世界”状態。これは是非カメラで収めねば、と早速近くの山に出かける。木々をくぐり抜け、茶畑を進んで行くと、あちこちでクモの巣に引っかかる。鬱陶しく顔にまとわりつくのを払いのけながら歩くのだが、あるクモの巣に遭遇した時、巣の真ん中にじっとしている主を見て思わず立ち止まってしまった。凛として静かに獲物を待つその姿に、人間はなんと勝手な生き物か・・との想いが出てくる。クモの巣が邪魔だといって払う。クモは自分の命をかけて巣をはっている生きている。人間には、クモの巣に対する思いやりなどほとんどない。自分の都合だけ。でもクモも自分の都合で巣をはっている。お互いの都合を押し付けあって、これが人間同士なら喧嘩や戦争が起きても、クモの場合は間違いなく人が勝つ。クモの生活を考えれば、もっと思いやりを持ちたいと思う。でも、やっぱり人間様の快適環境が優先だ。自然を大切に、というが、クモの巣が顔に張り付く限り、人間様優先は何も変わらない。そして、僕の考えはいつもの堂々巡りとなる。あーむずかしい!


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