Petite Fleur 〜小さな花


最近、少々積極的に、自分のサックスをデジタル化(記録)しておくべし、とスカイオーケストラ(ストリート用カラオケ)に合わせ、サックスの録音に取り組んでいる。CDとして発売している「Toma Balladsシリーズ」などと違い、当初から販売を目的にしている訳ではないが、取りあえずは自分自身が納得出来るサックス演奏は心がけてはいる(つもりだ)。将来「Toma Sax Collection」などとしてまとめられたら、との想いも多少ある。
さてその中の楽曲で「Petite Fleur (小さな花)」(シドニー・ベシェ作曲)という1959年にヒットしたポピュラー曲を録音したときのお話し。

吹き始めたとたんに16歳の僕にフラッシュバック(瞬時に過去へ戻ること)した。
僕がクラリネットで「小さな花」を吹くのを、傍らで祖母をはじめ、母、叔母が、静かに一生懸命聞いているのだ。心は温かくなり、懐かしき時代にひとっ飛び・・
音楽はすべて、楽曲の内容や良し悪しなどはともかく、人それぞれの思い出の場面、その人だけの大切な過去に、いきなり連れ戻すパワーを持っている。音楽の持つ力はとてつもなく大きい。何度も言うが、楽曲の内容や良し悪しなど超えて・・
多くの曲がアッという間に通り過ぎて行く、そんな流れの中で・・今ではほとんど耳にすることはない「小さな花」は、時を経てどういう評価が下されたのか?
懐かしすぎて僕には、楽曲としての価値判断は出来ない。が、クラリネット奏者の鈴木章治氏が演奏する「小さな花」を聞いて僕は音楽を始めた。正確に言うとクラリネットを吹き始めた。

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