Straight No Chaser

ytoma2008-11-10

僕は昔から、ジャズのブルースを演奏することが苦手で、ジャムセッションでブルースをやろう、ということになると、それこそブルーになっていつも逃げ腰になっていた。それは今でも変わらないのだが、一生このままではまずい、という最新体験が(この歳になって)先日あった。ブルースはジャズの基本の基本。ジャズプレイヤーだったらどんなテーマのブルースでも当り前の顔して、スイスイとノリまくって演奏する。プレイヤーとしての絶対条件、必須である。で、僕は・・それが出来ない、やらない。僕はジャズプレイヤーではないから、と勝手に宣言しつつ、長年ブルースを避けながら、でもジャズらしき演奏は続けてきた。長年、というのは僕が音楽を始めた時からだから、四捨五入すれば50年!
先日、僕より若い(最近はみんなそうだ)アマチュアの人達とご一緒する機会があった。そのプログラムの中で、モダンジャズピアニストの開祖とも言われる、故セロニアス・モンク氏の作った「Straight No Chaser」というブルースをやるという。超有名曲でジャズプレイヤーなら、知らない人はいない、誰でもやるスタンダード曲。出来なければいけない!もう一度、必須!である。そして・・僕はそれが出来ない、良く知らない。ずっと昔から、なんて変な曲なんだ、と思っていただけだ。そして彼らの演奏は始まってしまい・・最後のテーマ部分は僕が担当することになっている。今更この曲は出来ないとは言えない。超かっこ悪い!困ったあげくに、すっとぼけて、最後は「Now's The Time」 という僕でも手慣れて出来るチャーリー・パーカーの曲に置き換えてしまった。終わりのテーマ曲を強引にかえてしまったのだ。気がつかないはずはないが、僕の方が年上だったので誰も何も言わなかった。
その後。この歳にしてついに(少し)反省、いま「Straight No Chaser」のテーマを体に染み込ませている。本当に風変わりな、セロニアス・モンクの個性丸出しの曲だが、モダンジャズっぽい、ジャズマン必須の曲、50年後の今でも時効はなかった。この曲は生きていた。逃げ切れなかった・・。ついでにブルースにももう少し親しくなれれば、と日常の少々の練習を自ら課しているが・・超遅まき、というヤツだ。
(ブルースとは通常1コーラス12小節で構成され、コード進行もほぼ統一されている曲の形式を言う)

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