ホバリング


朝の空気の中、ホバリングしている虫に出くわした。ホバリング、とは物体が空中で静止している状態のことで、ヘリコプターなどでの状態を表すのによく使われる言葉だ。
さて、ハチなどの一種であろうか、それらの虫との出会いに、瞬間に生き物としてのとても深い繋がり、連帯を感じてしまった。この連中も空気の上に乗って生きている。羽をもの凄いスピードで羽ばたかせて空気中のある一点に留まっている。空気がなければ浮くことも、生きて行くことも出来ない。僕らも同じ、すべて仲間。

それにしても微動だにしない見事なホバリング。そして三次元の空間を自由自在だ。しばらく目を凝らして観察していると、まるで人が立ち止まっているかのように、じっとして時折身体の向きを変え、ある時目にも留まらぬ早さで瞬間移動する。もの凄いエネルギーが必要ではないかと思うが、何分間飛んでいても、全然平気な様子だ。何をしているんだろう?えさを狙っている?彼女を探している?縄張りを見張っている?三番目あたりかな?僕がカメラを向けたりすると、不穏を感じたように敏感に反応したり、他の虫が来ると、いきなり攻撃に向かっているようでもある。まあ、そこら辺の詳しい生態学については専門家に譲るとして・・
とにかく、この星で必死に生きる命がどこにでもいる。空中に浮く命も、地上に立っている命も、みな同じ重さで生きている!と久しぶりに感じさせてもらった瞬間であった。

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