半径5メートルの幸せ


決して充分に、とは言えないが、僕の音楽人生、それなりに様々なことに挑戦し、自分の適性を探って来た。
20才の頃のキャバレーでの酔客相手の演奏に始まって、様々なバンドによるライブ活動、アレンジの仕事、ドラマや映画、アニメ、CMなどの音楽、多くの曲作りなど、一通りやった。(そういえば歌やフルートに挑戦!もあった・・)
多くの取捨選択を繰り返してきて、今自然体で続けられていることは、サックス演奏とリラクセーション系音楽の創作、となった。
特に近年、一生懸命続けているのがストリート演奏。
演奏する方も聞く方も、何の制約もない。その場その時の気分で曲を決め、聞きたい人は立ち止まり、そうでない人は通り過ぎて行く。ちょっと足を止めてもピンとこなければさっさと行ってしまう。幸せを感じてくれたら投げ銭!時には「うるさい!」と文句を言われることも。全ては受け手の感性にお任せの真剣勝負。道行く人々の遠慮なしの反応が直に伝わってくるストリートは、時には修行の場でもある。
みんなにほんの少しの幸せを、と気持ちを込めれば、笑顔で返してくれる、その笑顔で僕も幸せを頂く。
路上でのそんな小さな幸せのやり取りが出来る、心の届く空間の広さは、せいぜい半径5メートルぐらいか。沢山のことを与えてくれる、教えてくれる、こんな空間に感謝!(東京都ヘブンアーティストのシステムに感謝!)出来る限り細く長くやって行きたい、と願う。(ただし、いつかは武道館!?)
<上野公園にて 川中真志氏撮影>

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